怠慢なスーザン | ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog

怠慢なスーザン

 昔々あるところに、スーザンという名の女中さんがいました。スーザンが仕える家は大家族で、彼女はいつも大忙しでした。スーザンには、この家で働き始めたころから、ある不満がありました。それは、料理を鍋から家族全員分の皿に盛り付け、一皿一皿を食卓まで運ぶのは相当の手間がかかってしまうということでした。彼女は、この作業をもっと効率よくできないかと必死で考えました。

 ある日スーザンは、どこからかクルクルと回る回転台を見つけてきて、食卓の上にセットしました。その日からスーザンは、料理をひとりひとりの皿に盛り付けることをやめ、料理の入ったいくつかの大皿をその回転台の上に置くようになりました。そして、その台を回しながら料理を大皿から自分の皿に取り分けるのは、それぞれ食べる人の役目にしたのです。

 以上の話は僕の勝手な想像ですが、中華レストランの丸テーブルの上に載っている回転台を、英語で「Lazy Susan(怠慢なスーザン)」と呼ぶのをご存知でしょうか。こういう名前が付いているからには、名前の由来は上に書いた僕の想像と大差ないのではないでしょうか。でも僕なら、「レイジー・スーザン」ではなくて「スマート・スーザン」と命名しますが。

 どうして、こんなことを書いているかというと、我が家のダインニング・テーブルは中華風の円卓で、上にはこの「レイジー・スーザン」が載っているからです。うちのダイニング・ルームは正方形なので、テーブルは丸いものがいいだろうと、わざわざ中国家具を売っているお店を見つけて買いました。

 ちなみにこの回転台、中国の発明かと思っていたら、そうじゃないようです。「Sky’s The Limit v2 」さんが「掬ってみれば無数の刹那 」さんのコメント欄で書いていますが、日本人の発明だそうです。しかも、「インテリケンちゃんの100字雑学 」さんや「りばーたりあんになれるまで 」さんによると、この回転台こそが回転寿司発祥のヒントになったのだとか。今度うちの食卓にアメリカ人が座ったら、「レイジー・スーザン」は日本人の発明だよと教えてあげよう。