Good-bye My Sri Lanka | ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog

Good-bye My Sri Lanka

 僕にとって2010年は、ひとつの区切りの年となりました。来年の人事異動を控え、世銀に入ってから僕が一番深く長く関わったスリランカの担当を降りることになったからです。10月のスリランカ出張が、最後のスリランカ訪問となりました。最後だと思うと、やはり寂しいですね。改めて、自分はスリランカが好きだったんだなと思い知らされました。いや、好きというのとはちょっと違う。特別な思い入れのある国なのです。2002年の後半から関わり始め、2007年から2年間は赴任していた国。振り返ると、いい事も悪い事も、本当にいろんな事がありました。紛争、停戦、津波、紛争激化、そして軍事力による紛争終結と、僕がスリランカに関わった時代は、正にあの国の激動の時代だったのです。


 仕事では、微力ながら世銀の津波復興の責任者になり、約5万軒の住宅再建に貢献しました。また、水道のない農村部への水道普及も担当し、約800の村々に新たな水道を整備することができました。当然ながら、これらは僕一人の力ではなく、カウンターパートであるスリランカ政府や自治体、パートナーであるNGOや、何よりも被災者や住民自らの努力によるところが大きいことは言うまでもありません。そして世銀の同僚たちにも、随分と助けられました。でも何故か今は、「あの時あの仕事は、ああすればよかったなあ、こうすればよかったなあ」と後悔の念ばかりが頭に浮かんで来ます。



 これからも、スリランカのことはずうっと気になるでしょうね。できれば、いつかまた戻りたい。あの美しい島国が、恒久平和と民族融和を成し遂げ、明るい未来を迎えることを願わずにいられません。今はただ、スリランカで出会った全ての人々に感謝の気持ちで一杯です。スリランカよ、さようなら。また会う日まで。