ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog -149ページ目

スリランカで見た「八戸」と象の行く街

 先週コロンボに到着してホテルに一泊した後、すぐにフィールドへと発ちました。スリランカ北西州のクルネガラ、中央州のキャンディ、北東州のトリンコマリなどの州都とその周辺の農村部を巡ってきました。先ほど約一週間ぶりにコロンボに戻ってきたので、ようやくこうしてインターネットにアクセスしています。

 コロンボからクルネガラに向かう途中、車体に大きく「八戸東洋(株)」と書いてあるマイクロバスを見かけました。スリランカで僕の故郷「八戸」という文字を目にするとは思ってもいませんでした。この「八戸東洋」という会社は存じ上げませんが、おそらく八戸にある会社だと思います。そこの会社で使われなくなった古いマイクロバスが、スリランカに送られてきたのでしょう。誰かこの会社をご存知の人がいたら、このマイクロバスがスリランカに送られた経緯を聞いてみてくれませんか。

 それからキャンディの街では、時々、象が道路を歩いていました。今までいろんな途上国に行き、ロバやラクダや牛が荷物を引いて道を行く光景には驚きもしませんが、突如目の前に象が現れると、やっぱりびっくりします。コンクリートの街を行く象は、何か元気がなく不健康に見えました。大自然に戻してやりたいです。

オルターナティブ・ワーク・スケジュール

 今日の金曜日は「オルターナティブ・ワーク・スケジュール(AWS)」のため休みでした。このAWSは、2週間に一度金曜日が休みになるという、とてもいい制度です。要するに、一週おきに金・土・日と3連休があるのです。世銀ではこの制度が3~4年ほど前から始まりましたが、アメリカでは政府機関などもこの制度を採用しているところが多いようです。

 AWSの制度概要は次の通りです。通常は、一日に8時間勤務で月曜から金曜まで週5日なので、一週間に40時間働いたことになります。つまり、2週間で80時間です。この通常の勤務体系を、「一日9時間勤務にして2週間で9日働けばいい」というふうに変えたのがAWSです。これだと、9X9=81で、1時間超過なので、より正確に言うと、「月曜から木曜までは9時間勤務で、1週目の金曜日は8時間勤務、2週目の金曜日は休み」となります。これで、丁度2週間で80時間となるのです。

 こんなことを言うと、日本の企業戦士に怒られるかもしれませんが、でも一日9時間っていうのは結構長いです。特に僕はブリスベン市庁での勤務時間が7時間15分だったので、それに比べれば2時間近くも長くて、まだこのペースに慣れません。ちなみに、通常の一日8時間勤務にするか、9時間働いて2週に一度3連休をもらうかは、個人個人で選べます。あなたなら、どちらにしますか。僕は絶対3連休の方を選びます。

愛しのアイツに初対面

 いよいよ明日の朝ブリスベンを発ちます。引越しは昨日済ませました。昨日の引越しは、お昼前に来る予定だった運送屋さんが、なぜか朝9時半にやって来て梱包が始まりました。大小7つの箱に、総重量140キロの荷物を詰め込んで、バタバタと去っていきました。引越しはお昼前に完了し、夕方の送別会まで少し時間ができたので、kinuさんの書き込みを思い出し、急遽「ブリスベン・フォレスト・パーク」へ向かうべくタクシーに飛び乗りました。オーストラリアに来て、まだ見ていなかったカモノハシを見るためです。これが最後のチャンスだと思うと、タクシーの中でも胸が高鳴りました。

カモノハシ  「ブリスベン・フォレスト・パーク」の中には、鳥や魚など様々なオーストラリアの生き物がいるミニ動物園みたいなのがありました。その中の薄暗い特別の小部屋に、「Platypus(カモノハシの英語名)」と書かれた水槽がありました。その水槽には、小さな魚が泳いでいるだけで、カモノハシはいませんでした。水槽と言っても、なるべく自然の川に近づけるように、水辺の周りには木や岩や様々なものがあり、カモノハシはその岩陰にでも隠れているのかなと思っていました。しばらくその水槽の前に佇んでいましたが、全然カモノハシが現れる気配がないので、チケット売り場まで戻って係員に聞いてみました。「カモノハシは本当にいるの?何も見えないよ」と僕が言うと、「あの水槽の奥には、カモノハシのストレスを減らすためにかなり広い自然が広がっているので、カモノハシは時々しか水槽の方に出て来ない」と教えられました。要するに、運が良くなければカモノハシを見られないということらしいのです。

 「せっかくカモノハシだけを見に来たのに、それはないぜ」と思いましたが、仕方がないので、その水槽の前でカモノハシが現れるのを待つことにしました。ただただ水の中に泳ぐ小魚を眺めて、じっと待っていました。僕のように待つ人のためか、幸い水槽の前には小さな腰掛が設置されてあり、そこに座っていました。平日の昼間ということもあって、客は自分だけ。薄暗い中で、カモノハシが現れるのを願って、孤独との戦いでした。「もう諦めて帰ろうか」と何度も思いましたが、その度に思いとどまり、待ち続けました。

 50分くらい経って、もう本当に帰ろうと思った瞬間に、水槽左側の岩陰に何かが動いているのを発見しました。待った甲斐がありました。カモノハシです。感動の初対面です。あんなに感動したのは、いつ以来でしょうか。グレート・バリア・リーフより桁違いに感動しました。カモノハシはすぐに水に潜って、えさを探してすばしっこく泳ぎまくりました。そのすばしっこいカモノハシを僕はずうっと眼で追いかけていました。ネーミングの通り、カモのようなくちばしを持ち、頭と背中は毛皮におおわれ、お腹は蛙かフグのようでした。足は魚のひれのようで、尻尾も平べったくて変わっていました。やっぱり本当に不思議な生物です。生きた化石とも呼ばれ、卵を産む珍しい哺乳類です。僕が見ていたカモノハシ君は、最後に小さな蟹をくわえて水から上がり、再び木陰に消えていきました。カモノハシが水槽の中で姿を見せていたのは、ほんの4~5分でしょうか。その間、僕の眼はカモノハシに釘付けでした。オーストラリアを発つ直前に、念願だったカモノハシをこの眼で見ることができたのです。カモノハシ君、出てきてくれて本当にありがとう。

グレート・バリア・リーフでエコツーリズムを考える

グレート・バリア・リーフ  昨日はケアンズからツアー・クルーズに参加し、グレート・バリア・リーフまで行ってきました。グレート・バリア・リーフは、豪州クイーンズランド州北部の近海に帯状に広がるとても美しい珊瑚礁です。様々な種類の魚や亀、海老など水中生物の宝庫で、ユネスコの世界遺産に指定されています。3階建ての船に数百人が乗り込み(半分くらいが日本人)、フィッツロイ島という美しい熱帯雨林の島を経由して、約2時間くらいでムーア・リーフというところに到着しました。ムーア・リーフは、グレート・バリア・リーフを構成している珊瑚礁の一部です。そこには、ポントゥーンと呼ばれる船着き場がありました。このポントゥーンは、ダイビングやシュノーケリングなどのための設備も整っていて、さしずめ多目的海上基地といった感じでした。僕は、まずこのポントゥーンから潜水艦に乗り込み、海中の珊瑚と魚たちを観察しました。次に、船底がガラス張りになっているボートで、再度グレート・バリア・リーフを堪能しました。あの美しさはとても言葉では表現できません。いろんな種類の珊瑚や魚たちを間近に見られて、とても感動しました。海亀にも2度遭遇しました。

 このツアーに参加して僕が気になったのは、あのポントゥーンの存在です。珊瑚礁の海に浮かんだ観光のための人工構造物。こんなの設置されて珊瑚は迷惑だろうなあ。かなり気になったので、ツアー・ガイドに質問してみました。彼によると、このようなポントゥーンは各ツアー会社が所有しており、グレート・バリア・リーフの中にいくつかあるんだそうです。各ツアー会社は、このポントゥーンの設置をクイーンズランド州政府から許可され、これを設置する換わりに毎年約50万オーストラリア・ドルを州政府に納めているといいます。そうして各ツアー会社から集めたお金を、州政府がグレート・バリア・リーフの保護のために使っているというわけです。ツアー会社が州政府に払うお金の元手は、当然僕のような観光客が払っているツアー参加費でしょう。ということは、自分はこのツアーに参加することにより、グレート・バリア・リーフの保護に貢献しているのか。あるいは、自分のような観光客がいるせいで、ポントゥーンみたいな人工構造物が珊瑚礁の真ん中に必要であり、それは珊瑚の破壊をもたらしているのではないか。グレート・バリア・リーフを後にしてケアンズまで辿り着く間、「果たして自分の観光という行為は、珊瑚の保護と破壊のどちらに繋がるのか」と、ずうっとそのことを考えていました。そして思いついたのが、「こういうツアーは、もっと教育的要素が必要だなあ」ということでした。グレート・バリア・リーフのツアーなら、「あの素晴らしい珊瑚礁を保護するためには、一人一人がどうすればいいのか」、というようなことを伝える教育的プログラムがツアーに組み込まれているべきです。僕が参加したツアーに限って言えば、そういう教育的要素は全くありませんでした。

グレート・バリア・リーフを泳ぐ魚たち  「持ち去るのは思い出だけ、残すのは足跡だけ」とは、観光地を訪れる際の心構えとしてよく使われる言葉です。これは、観光地から草花などを採って帰ったり、ゴミやまして落書きなどを残して行ってはいけないという意味です。グレート・バリア・リーフでは、当然珊瑚や貝殻を持ち帰ってはいけないばかりではなく、珊瑚礁に触ったり珊瑚礁の上に立ったりすることも禁じられています。そういう意味では、手型も足跡も残して来てはダメなのです。でも、楽しい思い出だけを持ち帰ってもらっても困ります。グレート・バリア・リーフのような大自然を訪れたら、思い出と一緒に、「地球環境を守ろう」という強い決意も持ち帰ってほしいのです。参加者の一人一人にそういう気持ちを喚起させるようなツアーであれば、あのポントゥーンも納得できたのに。ツアー参加後に、環境を守るための小さなアクションを起こす。これこそが、最近よく耳にする「エコ・ツーリズム」の精神ではないでしょうか。

カモノハシのネクタイ

 ここ数週間はとても忙しいです。ブリスベンを発つ前に仕事を終わらせなければいけないし、引越し業者の手配や、運送荷物の保険や通関に関する書類の準備、電話やCATVなどの解約手続き、その合い間に市長や局長への最後のブリーフィング、そして、日本から頼まれていた原稿の執筆などなど。ブリスベンに来てから割とのんびりしていたのですが、最後になってバタバタしています。さらに、今週は2つプレゼンテーションをしなければならなかったので、その準備に追われていました。

 その今週2つめのプレゼンが、今日でした。全豪水学会のコンファレンスで、「環境への負荷などの間接的コストを、いかに水道料金に反映するか」というような発表をしてきました。水道の間接的コストと、単身赴任の間接的コストを比較させてユーモラスに話したあたりは、大いに受けまくりました。ちょっと新しい話題だったので、質問もビシバシ来て面白かったですよ。まずは、今週の分は終わりましたが、来週の水曜日、最後にもうひとつプレゼンをしなければなりません。そっちの準備はまだ全然です。


 実は、今日のプレゼンテーションの後、全豪水学会から「カモノハシのネクタイ」をプレゼントされました(↑)。そのネクタイはブルー系で、川をたくさんのカモノハシが泳いでいる図柄になっています。残念ながら、本物のカモノハシはまだ見たことがありませんが、僕はカモノハシの大ファンなので、とても嬉しかったです。こんなネクタイ、オーストラリアにしかないでしょうね。もったいないから、あんまり着用せずに、大事にとっておこうと思っています。

日本経済を救うのは小泉よりトルシエ?!

 少し前のブリスベンの地元紙「クーリエ・メール」に、こんな記事が載っていました。「W杯サッカーが瀕死の日本経済を救うか?」というような記事でした。日本国内でも、「W杯の経済波及効果」が話題になっていると聞きます。W杯開催中は、外国から選手、役員、観客、ジャーナリストなどなど大勢が日本を訪れるはずです。国内の全競技会場には、42万5千人が足を運ぶという試算もありました。これに伴う様々な消費も当然増えるでしょう。これは疑いのないところだと思います。

 さて、「クーリエ・メール」の記事は、こんな内容でした。

「日本経済は、日本チームがW杯で勝ち進めば勝ち進むほど、上向くだろう。そういう意味では、日本経済の鍵を握っているのは、小泉首相よりも、チームの監督である中年フランス人(トルシエ監督)だ。しかしながら、W杯により、日本経済が恒常的に回復することはありえない。回復したとしても、所詮は一時的なものだ。W杯で日本チームが優勝するオッズは、75対1だそうだから、日本経済が好転する賭け率もそんなものだろう。」

 これを読んで皆さんはどう思いますか。僕はユーモアの中にも、なかなか本質を鋭く突いた記事だと思いました。そもそも景気回復をサッカーに期待するのが間違いです。経済は、政治が何とかしないといけません。おっと、その政治が全く期待できないから、皆がサッカーに期待しているんですね。トルシエさん、頼みますよ。

スチュワーデスがいない飛行機

 今回のオークランド行きは、スター・アライアンスのマイレッジ特典でもらえるニュージーランド航空の無料航空券を利用しました。キャンペーン中だったので、ブリスベン~オークランド間往復で、たったの1万5千マイルで行けました。スター・アライアンスのマイレッジがかなり貯まっているので、オーストラリアに来る前は、アンセット・オーストラリア航空を利用してオーストラリア国内をいろいろ見て回ろうと思っていました。しかし、去年9月のアンセット航空の倒産で、それも叶わぬ夢となりました。「そうだ。確かニュージーランド航空もスター・アライアンスのメンバーだった」と思い出し、今回の旅行となった訳です。

 そのニュージーランド航空ですが、ちょっと変わっていました。何が変わっていたかと言うと、往路のブリスベン発オークランド行きの便には、スチュワーデスさんが一人も乗っていなかったのです。もうちょっと正確に言うと、客室乗務員が全て男性で、女性は一人もいなかったのです。今までいろいろな飛行機に乗りましたが、こういうのは初めての体験でした。あのパキスタン航空だって、必ず女性の客室乗務員が乗っています。ちなみに復路のオークランド発ブリスベン行きには、女性の客室乗務員さんもちらほらいました。

 現在のニュージーランドの首相は、ヘレン・クラークさんという女性の方です。そしてこのクラーク首相の前も、ジェニー・シプリーさんという女性首相でした。ニュージーランドの国会では、現在女性議員が30.8%を占め、この女性議員の比率の高さは世界第8位です(日本は先進国中最下位で第86位)。僕は、このこととニュージーランド航空に女性客室乗務員がいなかったこととは、何か関係があるような気がするのです。「ニュージーランドでは、男性と女性の役割が日本とは逆だ」と言いたいのではありません。そうではなくて、「ニュージーランドでは、職業を選択する上で、あるいは誰かが担当者を任命する上で、性別はほとんど関係ないんだろう」と思ったのです。だから、おそらくあの日のニュージーランド航空のクルーは、たまたま男性のみだったというだけで、別に深い意味があった訳でもなく、それを不自然に感じた自分が少しバイアスがかかっていただけなのでしょう。

 英語では、「スチュワーデス」という言葉も今やほとんど死語です。「エア・ホステス」という言葉も昔はよく聞きましたが、これも死にました。最近では、「フライト・アテンダント」「キャビン・アテンダント」「キャビン・クルー」などと呼ばれているようです。いずれも、男性・女性両方に使える呼び方です。飛行機の客室乗務員が、女性だけの仕事ではなくなったひとつの証拠と言えるでしょう。

「女性がリーダーシップをとる国、ニュージーランド」 にトラックバックさせていただきます。

キーウィとキーウィ・フルーツ

 先ほどブリスベンに戻りました。束の間のオークランド滞在でしたが、ニュージーランドの雰囲気をちょっぴりだけ味わってきました。オークランドの街は、ブリスベンをもう少しお洒落にしたような感じでした。ニュージーランドには、是非またいつか家族でのんびりと行きたいですね。

 さて、ニュージーランドで絶対に見たかったのが、「KIWI(キーウィ)」という珍しい鳥です。ニュージーランドにしかいないため、国のシンボルとも言われています。オークランド動物園にいるというので、この鳥を見るためだけに動物園に行ってきました。愛しのキーウィは、特別のガラス張りの部屋に入れられ、しかも真っ暗だったために、シルエットしか見えませんでした。せっかく見に来たのによく見えずに、とてもがっかりしました。しかし、キーウィは夜行性で一日に20時間くらい眠るために、このように真っ暗にしているようです。「人間の都合より、キーウィの都合を優先させているんだ」と思い、自分を納得させました。起きて動き回っていたキーウィのシルエットを見られただけでも、ラッキーだったのかもしれません。

 このキーウィは、羽が退化して飛べない鳥です。大きさは、にわとりぐらいで、頭が小さくお尻が大きいとても愛嬌のある体型をしています。それにとても長いくちばしを持っています。聞くところによると、オーストラリアにいるエミュの親戚だとか。そして、エミュと同じくらいの大きな卵を産むのが特徴です。成鳥の大きさと卵の大きさの比率は世界一だそうです。

キウイの交通標識 僕なんかは、キーウィというと「キーウィ・フルーツ」の方を連想しますが、鳥の「キーウィ」とフルーツの「キーウィ」は何か関係があるのでしょうか。今までは、「果物のキーウィは、色が鳥のキーウィに似ているし、しかも形も丸っこいので、この鳥にちなんで名付けられたんだろう」と勝手に思っていました。そこで、ガイド兼運転手のフィルさんに聞いてみました。゙によると、キーウィ・フルーツは元々中国南部の州が原産で、「チャイニーズ・グースベリー」というのがオリジナルの英語名だったそうです。しかし、ニュージーランドの農民達が、この果物をニュージーランドの特産品として世界に売り出そうとして、「キーウィ・フルーツ」と名付けて輸出したところ、この名前が世界中で定着してしまったというのです。中国にしてみれば迷惑な話だったかもしれません。ニュージーランドの農民達がこの果物をキーウィと名付けたのは、色や形が似ているからというよりも、単にニュージーランドのシンボルである鳥の名前を使っただけだそうです。

 そう言えば、ニュージーランドの人たちは、ニュージーランドに関するものを何でもかんでも「キーウィ」と表現したがります。自分達のことも「New Zealander(ニュージーランダー)」と呼ぶよりも、「KIWI」と呼ぶことの方が多いみたいです。そのためか、英語ではニュージーランド人のことを「キーウィ」と称するのは当たり前になっています。国際金融市場では、ニュージーランド・ドルのこともキーウィと呼ぶそうです。このように、キーウィという鳥は、ニュージーランドのアイデンティティとなっているのです。「国のアイデンティティを絶滅させるな」ということで、ニュージーランドは国を挙げてこの鳥の保護に必死です。僕もこれからキーウィ・フルーツを食べる度に、その名前の由来となったニュージーランドの鳥のことを思い出すでしょう。

マオリ人はたったの7人!?

 今日はバスでオークランド市内の主要な観光スポットを回って来ました。オークランドは四方を海に囲まれているような感じで、至る所から海が見えます。それから、街のあちこちにラグビーのゴールポストを備えた練習場がありました。さすがは、オール・ブラックスの国です。

 運転手兼ガイドはフィルさんという方で、とても気さくなおじさんでした。オーストラリアでも大抵の場合そうですが、こちらでも運転手さんがガイドを兼ねていました。運転席にマイクが固定されており、運転しながら観光案内をしてくれるのです。

 そのフィルさんの説明の中から、いくつか覚えていることを書き留めておきます。

「純血のマオリ人というのは、ニュージーランド全体でもおそらく7人くらいでしょう。ヨーロッパ人、アジア人、ポリネシア人などの血が交じり合って、今のニュージーランドが構成されています」(ちなみに、オークランドでは5人に1人がアジア系だそうですが、このような『人種』という概念は意味がなくなりつつあるのかもしれません。)
「ニュージーランドの自動車は9割が日本からの輸入車で、そのうちの8割は中古車です。こういった中古車は、大体2千ドル(15万円)くらいです。」
「オークランドのスカイ・タワー(328メートル)は、シドニー・タワーより3メートル高くて南半球一です。」
「左手に見えますのがアメリカ大使館です。」「えっ、どこどこ?」「ほら、あの黄色いMのマークがあるところ。別名マクドナルド!!」(このジョークはオーストラリアでも聞いたことがあります。)

雨のオークランド

 アンザック・デーという休日を利用して、ニュージーランド最大の都市オークランドにやって来ました。ブリスベンから3時間ちょっとのフライトでした。ニュージーランドの人口は380万人くらいですが、そのうちの約3分の1がここオークランドに集中しています。今日の最高気温は20℃で、晩秋の割には思ったほど寒くはないです。

オークランド あいにく、着いてからすぐに雨が降り出し、今日は雨の中オークランドの中心街を散策していました。オークランドの街は、「何でこんなにアジア人がいるんだろう」と思うほどアジア人で溢れていて、かなりびっくりしました。それも、中国人、韓国人、日本人など東アジア系が多いですね。「どこかのアジアの都市にでも紛れ込んだんじゃないか」という錯覚におちいりました。マオリ族系と思しき人たちも結構見ましたが、今日のところは白人はあまり目に付きませんでした。実際の人口構成はどうなっているのか、ちょっと興味があります。