ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog -151ページ目

シドニーとエッチロー

 もうずうっと昔、まだオーストラリアに来る前のことです。「日本人はどうして皆がみんな、『Sydney』の発音が変なんだろう。でも君はまともな発音に近いね」と、ある外国人に言われたことがあります。おそらく日本人の発音が変なのは、「シドニー」というカタカナ表記があまりにも定着してしまっているせいでしょう。「Sydney」という固有名詞の英語の発音は、残念ながらカタカナの「シドニー」とは全く異なるものです。英語の発音に一番近いカタカナ表記は、「スィッニー」ではないでしょうか。英語では、「Sydney」の「d」の発音は、ほとんど聞こえないんです。以前、「Brisbane」の発音の話題のときにも書きましたが、英語をカタカナで表記するのはかなり無理がある場合が多いんですよね。

 でも、地名や人名くらい、せめてもう少しオリジナルの発音に近いカタカナ表記にできないんでしょうか。まあ、アメリカ人も「イチロー」のことを「エッチロー」なんて言ってますから、外国人や外国の地名の発音が苦手なのは、何も日本人に限ったことではないのでしょうが。

シドニーの蝿

 シドニーからブリスベンに帰ってきました。シドニーは先週の金曜日はかなり涼しくて、スーツを着て街を歩いていても全然暑いとは感じませんでした。ところが、土曜の午後から急に暑くなり、日曜、月曜と真夏のような暑さに見舞われました。

 暑さはあまり苦になりませんでしたが、シドニーの蝿の多さにはちょっとうんざりしました。しかも、シドニーの蝿は執念深くて、手で払っても払っても人の頭や顔にまとわりついてくるのです。蚊にさされやすい体質の人がいるという話を時々聞きますが、私は蝿に好かれやすい体質なのかと思ってしまいました。でも良く見ると道行く人々の多くが、私と同じようにしきりに手で顔から蝿を追い払っているではありませんか。私のせいではなくて、やはり蝿のせいなのです。ちょっとホッとしました。蝿を自分の頬に止まらせながら、アイスクリームを食べている人もいました。聞くところによると、オーストラリアでは「蝿よけの帽子」も売っているというから、やっぱりオーストラリアの蝿は相当手ごわいのでしょう。でもブリスベンでは、蝿に悩まされたという記憶がありません。衛生状態の悪い途上国に何度も行った経験もありますが、これほど蝿を鬱陶しく思ったことも今までありません。シドニーの蝿、恐るべしです。

オーストラリアW杯出場を逃す

 ウルグアイのモンテビデオで行われた、オーストラリアウルグアイサッカーW杯予選プレーオフ第二戦は、3-0でウルグアイが圧勝しました。先週メルボルンでの第一戦はオーストラリアが1-0で勝ちましたが、2試合合計の得失点差で、ウルグアイがW杯出場を決めました。これで本戦出場の32チームが出揃ったことになります。

 僕も地元オーストラリアを応援するため、朝5時半に起きて、シドニーのホテルでプレーオフ第二戦の生中継を見ていました。メルボルンではあんなに攻勢だったオーストラリアは、前半守勢一方で、0-1でハーフタイムを迎えました。後半はオーストラリアにも何度かチャンスはありましたが、ウルグアイはいずれもルコーバという選手のアシストから2点を加え、勝利を確実なものにしました。このウルグアイのルコーバ選手には、W杯本戦でも注目です。それにしても、サッカーというのはホームとアウェイでは、こんなに違うものなのでしょうか。ウルグアイ選手たちの動きは、先週のメルボルンでの試合に比べて格段に良かったように思います。

 これで、オーストラリアはまた4年間W杯出場を待たなければなりません。テレビのアナウンサーも解説者も、試合後は皆一様に落胆していました。ここ一週間は、新聞の一面もサッカーの話題一色だっただけに、オーストラリア中が沈んでいることでしょう。僕もかなりがっかりしました。でも僕には、母国の日本と、娘達の国であるアメリカが出るから、まだW杯も応援のしがいがあるというものです。オーストラリアの選手の皆さん、ひとまずは、ご苦労様でした。4年後に期待しています。

オペラハウスの屋根

 世界で最も有名な建築物のひとつ、シドニーのオペラハウスを見てきました。貝殻を何枚も重ねたような、あるいは帆船の帆のようなあのオペラハウスの白い屋根は、写真やテレビで何度も目にしていましたが、実際に見るまでは真っ白なんだろうと思っていました。近づいてみると、その屋根はいくつもの小さな四角いタイルを張り合わせて出来ていることが分かります。しかも、光の屈折を考慮してか、光沢のある白いタイルと、光沢のない少し灰色がかった二種類のタイルが交互に並べられています。太陽の光に照らされると、ちょうどタイルの目地の部分が、金色に光って見えるような気がしました。このオペラハウスの屋根のタイルは、過去10年間で、たった5枚しか張り替えられていないそうです。

シドニーのオペラハウス このシドニーのオペラハウスを設計したのは、Utzonさんというデンマーク人の建築家です。1956年に、32カ国から233のエントリーがあった国際コンペで選ばれたそうです。しかし、極めて斬新なデザインだったため、実際の建設にはかなりの苦労が伴い、結局Utzonさんは完成させられずに、道半ばでシドニーを去ったそうです。それから、オーストラリアの何人かの著名な建築家たちが仕事を引き継ぎ、建設が始まった1959年から実に14年後の1973年に、ようやく完成したそうです。

 当初は7百万ドルの建設予算でしたが、建設の遅れによるコストの上昇もあって、実際は約15倍の1億2百万ドルもかかったそうです。設計者が投げ出そうが、何年かかろうが、しかもこれだけコストが嵩もうが、その都度その都度対処策を見出し、一度やろうと決めた仕事を最後まで成し遂げた関係者の熱意と努力には頭が下がります。1億2百万ドルというのは確かに高い買い物でしょうが、シドニーのシンボルとして世界中からこれだけの観光客を集めているという事実を見ると、悪い投資ではなかったのではないでしょうか。ちなみに、建設費には宝くじの売上が充てられたということです。

花の都シドニーより

シドニーのオペラハウス 初めてシドニーに来ました。ブリスベンとは比べ物にならないくらいの大都会ですね。中心街の高層ビル群は、まるでニューヨークの摩天楼のようで、見上げても空が所々しか見えません。実際、空港からのタクシーを降りたとき、自分はニューヨークにいるんじゃないかと錯覚しました。

 そのタクシーには、「このタクシー内はカメラで監視されています」という張り紙がありました。犯罪防止のためなんでしょうね。どこかに隠しカメラがあるのかなと思って探してみましたが、それらしき物は見当たりませんでした。まあ仮にカメラがないとしても、この張り紙だけで、犯罪抑止効果があるのかもしれません。そう言えば、ニューヨークに最初に行ったときも、タクシーの運転席と後部座席が防弾ガラスで仕切られていて驚きました(あれって本当に防弾なんでしょうか)。街が大きくなる程、犯罪が増加する傾向にあるというのは、アメリカもオーストラリアも変わりませんね。まあシドニーはそんなに危なくないんでしょうが。

 空港から乗ったそのタクシーの運転手は、ブリスベンではほとんど見かけないアフリカ系の黒人でした。やはりシドニーは、ブリスベンよりもさらに「人種の坩堝」ぶりが進んでいるようです。その黒人運転手は、とても懐かしいアフリカ訛りの英語を話していました。懐かしいと言ったのは、ワシントンの世銀本部には、ああいう英語を話すアフリカ出身のスタッフが結構いるからです。その運転手さんに出身を聞いてみたら、西アフリカのトーゴだそうで、シドニーに来てもう11年だと言っていました。彼の英語だけでなく、一般にシドニーで話されている英語は、何か「国際語としての英語」に近いような気がします。少なくとも、ブリスベンでよく耳にする、いわゆる「オーストラリア訛りの英語」よりは分かり易いように思います。このあたりも、国際都市シドニーならではでしょうか。

オーストラリアはビジネス・クラス、ウルグアイはエコノミー

 昨日メルボルンで行われた、サッカーW杯予選のプレーオフ第一戦は、テレビで見ていても手に汗握る試合でした。僕は当然オーストラリアを応援していましたが、一方的に攻め込んでいながらゴールが奪えないというイヤな展開でした。一試合を通したコーナー・キックの本数は、確かオーストラリアが10でウルグアイが2でした。これだけを見ても、いかにオーストラリアが主導権を握っていたかが分かります。ゴール・ポストに当たったオーストラリアのシュートも2本ありました。結局、後半終了10分前にペナルティ・キックをものにして、1対0で勝ったのですが、ヤキモキさせられた試合でした。

 第二戦は25日にウルグアイのモンテビデオで行われます。この試合に最低でも引き分けなら、オーストラリアの28年ぶり2回目のW杯出場が決まります。両チームは今朝同じ飛行機で、既にモンテビデオに旅立ちました。南半球をひたすら東へと飛び、アルゼンチンのブエノスアイレス経由だそうです。呉越同舟となりましたが、オーストラリア・チームがビジネス・クラスを全席押さえていたため(たぶんカンタス航空でしょう)、ウルグアイ・チームはエコノミー・クラスでの長旅だそうです。これが第二戦の結果に影響するんでしょうか。しかし、ブエノスアイレスからモンテビデオまでは、ウルグアイ・チームは自国政府が奮発したチャーター機を使うため、オーストラリア・チームよりも一足先に到着するそうです。サッカーどころ南米の雄で、W杯で2度の優勝経験もあるウルグアイにとっては、W杯に出場できないということは、国家の一大事なんだそうです。第二戦も、テレビに釘付けになりそうです。オーストラリア頑張れ!

敵はウルグアイ

 来年、日本と韓国で開催されるサッカーW杯の予選も大詰めを迎えました。本戦出場の32カ国のうち31カ国が決まり、残りひとつのイスを争うのは、我がオーストラリアとウルグアイです。圧倒的な強さでオセアニア地区予選を制したオーストラリアと、南米予選で5位となったウルグアイとのプレーオフ決戦です。今月20日にメルボルンで第一戦を行い、25日にウルグアイのモンテビデオで第二戦があります。一勝一敗の場合は、二試合の得失点差でW杯出場が決まるみたいですが、得失点差も同じ場合はどうなるんでしょうか。ちなみにFIFAの現在の世界ランキングでは、ウルグアイが23位、オーストラリアは48位です。しかし、オーストラリアは7月のコンフェデレーション杯で、ランキング1位と2位のフランスとブラジルに勝つなど、今年は好調なようです。是非ウルグアイに勝って、W杯に行って欲しいですね。

 オーストラリアには、FIFAが決めるW杯の予選形式に大いに不満があるそうです。オーストラリアは、大抵オセアニア・チャンピオンになるのですが、今までは、アジアのチームとプレーオフを行ってきました。4年前の前回は、イランとのプレーオフで、2点リードしながら土壇場で追いつかれ、W杯出場を逃しました。今回は南米チームとのプレーオフです。オーストラリアが望んでいるのは、オセアニア地区に出場枠をひとつ与えてくれということです。それが無理なら、せめてプレーオフの相手を固定してくれというのです。前回がアジア、今回が南米と、相手がその都度変わるのでは、長期的な対策も立てづらいという主張です。この言い分は、一理あると思います。しかし、とにかく今は、メルボルンでの対ウルグアイ第一戦に勝つことに集中すべきでしょう。オーストラリアがW杯の常連になれば、いつの日かオセアニア地区に一代表が与えられる日が来るかもしれません。

大勝のメルボルン・カップ

 誰か「メルボルン・カップ」ってご存知の方いますか。昨日行われた競馬レースなんですが、オーストラリア国内はもとより、世界的に有名な競馬レースだそうです。「メルボルン・カップ」というからには、当然メルボルンが舞台で、1861年に始まった伝統のあるレースだそうです。昨日は一日、新聞もテレビも職場でも、どこへ行ってもこの「メルボルン・カップ」の話題で持ちきりでした。まるでお祭り状態で、こちらでは「レース中は国中が止まる」と言われ、普段は競馬などに興味のない人も、このレースだけは特別で、ほとんどの国民が賭けるそうです(ホンマかいな)。ちなみにメルボルンのあるビクトリア州では、昨日は祝日でお休みでした。祝日に競馬をやるのではなく、競馬があるから祝日なんです

 ギャンブルとは全く縁のない私ですが、実は昨日生まれて初めて馬券を買いました。同僚のロンに薦められて、「メルボルン・カップ」初体験となりました。競馬っていろいろな賭け方があるんだって初めて知りました。連勝単勝複式単式。たまたま私が勝った馬券が、「三連勝複式」というんでしょうか(違ってるかもしれない)、三頭の馬を選んで、その三頭がどういう順番でもいいから上位三着に入れば「当たり」というやつでした。競馬初体験の私が、ブリスベンの場外馬券売り場でたまたま手にしたのが、この「三連勝複式」だったのです。どうせ当たらないんだから何でもいいやと思い、この方式の券を2枚買うことにしました。ロンの持っていた新聞を見て、それに載っていた順位予想に近いように三頭選び、そちらに30ドル賭けました。もう一枚、1・5・13という組み合わせに6ドル賭けました。これは、私の誕生日が1日(10月)で、妻の誕生日が13日(3月)なので、1と13をまず選びました。あとひとつは、長女の誕生日の8にしようかなあと思いましたが、それでは次女が仲間はずれになるので、結局、大学時代に着けていた背番号の5を選びました。これが昨日のお昼休みのことです。

 いよいよ午後2時を過ぎてレースの時間になりました。するとほとんどの職場の同僚が、近くのテレビに集まりました。当然「メルボルン・カップ」を見るためです。3200メートルのそのレースは、普通の競馬より距離が長いような気がしましたが、よく分かりません。何かテレビのアナウンスもよく聞こえなかったんですが、アウトコースから逆転し、鼻差で勝ったその馬が、13番の「エテリアル」という名の馬だというのは分かりました。13番が勝っても、自分の馬券は「三連勝」タイプだから、あとの二つの馬が二着、三着に入らないとダメなんだよなあと思っていると、誰かが、「二着は『ギブ・ザ・スリップ』だ」と言いました。へえ~と思って自分の馬券を見ると、この馬は5番だということが分かりました。すると周りにいた皆が騒ぎ出し、「三着は何だ、何だ、あっ、『ペルシン・パンチ』だあ」と言うではありませんか。「ペルシン・パンチ」は1番なんです。何と、私が生まれて初めて買った2枚の馬券のうち、6ドルで買った1枚が大当たりとなったのです。私は、「アメイジング」「アンビリーバブル」を繰り返し、笑いを噛み殺していました。

 でもその時はまだ、まあせいぜい配当は100ドルくらいのもんだろうと思っていたんです。しばらくして、ロンと一緒に再び場外馬券場に配当をもらいに行きました。ロンは全てを単勝方式で買っていて、何枚も買ったのに1枚だけ当たって、たった9ドルの配当をもらっていました。さて私の番、コンピューター付きの変な機械にその当たった馬券を差し込むと、配当金を表す数字が出てきました。小数点の上が、何と4桁(当然オーストラリア・ドルです)もあって、またまた「アメイジング」。現金では財布に入りきらないので、小切手を書いてもらいました。これが私の、嘘のような本当の競馬初体験物語です。この「メルボルン・カップ」、一生忘れません。

豪州選管からのパンフレット

 11月10日に投票が行われるオーストラリアの総選挙も、選挙戦が終盤に入ってきました。数日前に、郵便受けに「ELECTION・2001」というオーストラリア選管からのパンフレットが入っていたので、これを少し紹介します。

 まず表紙をめくると、「投票日は11月10日、投票時間は午前8時から午後6時まで、投票は義務ですので棄権者には最高50ドルの罰金」などと書かれています。それと、「あなたの選挙区のどこの投票所でも投票できます」とも書いてあります。確か日本の選挙は、投票所が指定されていますよね。極めつけは、「このパンフレットの外国語版を欲しい人は、以下に電話してください」と、15カ国の言葉と連絡先が記入されていることです。その言葉とは、アラビア語、広東語、クロアチア語、ギリシャ語、イタリア語、クメール語、マケドニア語、北京語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、セルビア語、スペイン語、トルコ語、ベトナム語です。ということは、オーストラリアの選管は、英語も含めて少なくとも16の言葉でこのパンフレットを作っているということです。さすがに多文化・多民族主義の国だと、感心してしまいました。

 このパンフレットには、投票用紙の記入の仕方も説明されています。去年のアメリカ大統領選挙の時は、穴を開ける方式の投票用紙が話題になりましたよね。日本は候補者の名前を直接記入する方式ですが、オーストラリアの投票用紙というか投票方式は、このどちらとも異なります。下院と上院でも違うのですが、下院ではその選挙区に立候補している候補者全員に、自分が当選させたい順に番号をつけるのです。例えば、自分の選挙区で4人の候補者が立候補している場合は、投票用紙の候補者名の横にあるマスに、自分が好きな順に1から4までの番号を記入するのです。だから集計もちょっとやっかいです。一人の候補者が有効投票数の過半数で「1」を獲得すれば、文句なしに当選です。しかしそれ以外のケースでは、「1」を獲得した数が最も少なかった候補者がまず失格になり、その失格候補が獲得した票数は、その候補の投票用紙で「2」を獲得した他の候補者の票に加算されます。この集計方法を誰かが過半数を獲得するまで繰り返すのです。例えば、有権者数が6万人の選挙区で、A、B、Cという3人が立候補したとします。「1」を獲得した数は、それぞれAさんが1万5千、Bさんが2万3千、Cさんが2万2千だったとしましょう。これで、Aさんがまず脱落します。次にAさんに「1」をつけた1万5千人の投票用紙を再度調べて、Aさんを一番にした人のうち、6千3百人がBさんに「2」をつけ、残りの8千7百人がCさんに「2」をつけたということにします。このそれぞれの票数を最初に「1」を獲得した票数に加算すると、Bさんは2万9千3百票、Cさんは3万7百票となり、Cさんが過半数の3万を超えたのでCさんの当選となります。

 ちょっと複雑ですが、分かっていただけたでしょうか。この例では、一番多く「1」を獲得したBさんが当選できないという逆転現象が起こっています。このような投票・集計方式では、組織票などが機能しにくいのではないでしょうか。当選するには、「1」だけでなく「2」も多く獲得しなければならないため、幅広い有権者を対象にした政策が必要になると思うからです。もし日本でこのような方式を採用したら、今の政界の勢力図がガラリと変わるかもしれませんね。

 ちなみにオーストラリアの上院は比例代表制で、政党に投票するか、候補者に投票するかを有権者が選択できるようになっています。候補者に投票する場合は、こちらもやはり順位記入方式になっています。

イカ刺しと豪酒とミッシェル

 おととい、八戸のイカが食べられるブリスベン「おしん」という日本食屋に行きました。板前さんが、「八戸のイカ」のパッケージを見せてくれたんですが、「Packed by Maruyo Suisan Hachinohe; Imported by Jun Pacific」となっていました。要するに、八戸のマルヨ水産で冷凍・梱包されて、こちらの Jun Pacific という会社が輸入したということです。八戸の皆さん、どういう経路で八戸からオーストラリアに輸送されているのか、マルヨ水産に問い合わせてみて下さい。

 やっぱり、イカの刺身には日本酒だろうということで、日本酒をたのんだら「豪酒(ごうしゅ)」というのが出てきました。これは、オーストラリア米だけを使ってこちらで造られたお酒で、製造元は「Sun Masamune(サン・マサムネ)」となっていました。結構おいしかったです。

 最近ブリスベンでは、どの日本食屋さんに行っても「ウニ」がありません。板前さんの話では、普段は大抵オーストラリア南部のタスマニア産の「ウニ」を使っているそうですが、今は季節的にこちらではウニが捕れない時期だそうです。「ウニ」って日本では年中ありませんでしたっけ?それから、「ウニ」って冷凍して輸出できないのですかねえ。昔、瓶詰めの冷凍ウニを八戸で見たような気がするのですが。八戸の水産関係者の人、誰か教えてください。それからこちらには「トロ」もないですよ。

 実はおととい、この「おしん」というお店で、フィギュア・スケートの女王「ミッシェル・クワン」に会いました。彼女は今、ブリスベンで開催中の「グッドウィル・ゲーム」に参加するために、こちらに来ているのです。真っ赤なノースリーブに細身のパンツという出で立ちでした。彼女は刺身をふた皿食べただけだそうです。ちなみにミッシェルの好物は、マグロの刺身です。八戸のイカも食べたかもしれませんね。えっ、クワンはそんなもん食わん?!