ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog -5ページ目

スリランカのもうひとつの争い


 スリランカ北東部のトリンコマリに行く途中に、野生の2頭に遭遇しました(↑)。紛争が終わったスリランカですが、この国には「もうひとつのconflict」と呼ばれる争いがあるのです。それは、象と人間の争い(human-elephant conflict)です。

 食糧を求めてジャングルから周辺の村々へ出てくる象が後を絶たず、しばしば悲惨な結果をもたらしているとのこと。こちらの新聞によれば、去年一年間で象によって殺された人間は50人。逆に、人間によって殺された象は228頭にも上ります(ちなみに、スリランカに棲息する野生の象は約6千頭)。こちらの争いも、一刻も早く終わらせるべきなのですが...。

最後のスリランカ



 皆さん、ブログではご無沙汰しておりますが、僕は元気です。三日前から、雨季に入ったスリランカに来ています。実は今回の出張が、最後のスリランカ訪問になりそうなのです。というのは、近いうちに人事異動があり、担当地域を変わる予定だからです。スリランカには2002年後半から深く深く関わり、2007年から2009年までは赴任していた土地。最後だと思うと、やはり寂しいですね。今となってはスリランカは、僕にとって第3か第4の故郷と言っても過言ではないくらいに思い入れのある国となりました。最後のスリランカでの約2週間を、悔いのないように過ごしたいと思います。

 とは言っても、いつかまた観光で帰ってくるかもしれません。是非、また家族で来たいもんです。ということで、上の動画は「Sri Lanka Small Miracle」というスリランカの観光プロモーション・ビデオ。こうしてみると、この島国は本当に美しい。

イラク戦争終結宣言



 8月31日で米軍の戦闘部隊がイラクから撤退。その晩8時(アメリカ東部時間)から、オバマ大統領が「イラク戦争終結宣言」のような演説(↑)をテレビでやっていました。約10万の戦闘部隊は撤退しても、今後は約5万人のアメリカ軍人が、イラク政府やイラク軍へのアドバイスとトレーニングを目的にまだイラクに残るのだそうです。それも、来年末までには完全撤退の予定だとか。

 ワシントン・ポストによると、約7年半のイラク戦争で亡くなったイラク人は少なくとも10万人、米軍人の犠牲者は4416人、そして戦費は7千億ドルに上るとのことです。僕自身、この戦争が始まった日のことを鮮明に覚えています。ちょうど、京都で行われていた「世界水フォーラム」に参加していたのです(戦うべき相手はイラクではなく、水問題)。あれから7年半か。今後イラクはどうなっていくのでしょうか。オバマ大統領は演説の中で、"Our combat mission is ending, but our commitment to Iraq's future is not.(戦争は終わっても、イラクの未来に対する我々の責任は終わらない)" と言っていましたけど。

 ところで演説の内容はともかく、重大な問題があるとき、直に国民に話しかけるこういうアメリカの大統領の演説スタイルはいいと思いませんか。日本の首相も、記者会見という形じゃなく、国民に語りかければいいのに。

青春時代が甦るキャプテンEO

 日本での夏休みの締めくくりは、今年も東京ディズニーランド。まだ関東の学校は夏休み中ということもあって、凄い混みようでした。従って、FAST PASS以外では基本的にほとんど何も乗れない状態。それでも、ディズニーランドにいるだけでハッピーな気持ちになれるから不思議な場所ですよね。


 それにしても、昨日も今日も浦安は暑かった。アイスクリームやフローズン・マンゴを何個も食べましたよ。暑くて疲れてくると、「It’s a Small World」に逃げ込むというパターン。ほとんどの人気アトラクションは90分から120分待ちなのに、「It’s a Small World」は大抵15分待ちくらいだったので、何度も涼をとりに入りました。


 さて、今年の東京ディズニーランドで感激したのは、何と言っても、あのマイケル・ジャクソン主役の「キャプテンEO」が復活していたこと(↑)。僕自身、キャプテンEOを見たのは実に20年ぶりくらいでしょうか。3Dメガネの向こうのマイケルが懐かしすぎて、青春時代が甦った気分でした。ということで、毎年恒例の日本での夏休みはこれで終わり。明日の午前中の便で日本を発ちます。

戸惑いの味 サバーガー


 八戸地域には、馬を食べたり、菊の花を食べたり、煎餅を鍋に入れたりというユニークな食文化があります。一説によると、このユニークな食文化が根付いた背景には、「やませ」と呼ばれる夏の冷たい海風の影響があるらしい。昔から「やませ」のために農作物の栽培に苦労したこの地域の人々が、知恵を絞り、独特の食文化を生み出して来たのです。八戸人の「」に対するこだわりや「進取の気性」は、こんな風土に育まれてきたと言えるでしょう。だからって、鯖(さば)をパンに挟んで「サバーガー」なんて...。


 サバーガーとは、八戸前沖で獲れた鯖の照り焼きバーガー。レタスとトマトとマヨネーズもついています。僕は一口食べて、ウーンと唸ってしまった。鯖の生臭さが残っている。その生臭さと照り焼きの甘さとマヨネーズの微妙なハーモニーに、かなり戸惑いました。食べ終えても、まだ戸惑っていた。カナダで食べたサーモン・バーガー はとても美味しかったけど、鯖はやっぱりご飯と一緒に食べたい思う。でも、サバーガーの誕生に尽力した人々には敬意を表しておきますよ。新たな食文化の創造へ、「やませ」を克服した八戸人のあくなき挑戦は続く。

八戸ばくだんを食らう


 これ、「八戸ばくだん丼」というそうです。昨年行われた第一回「ご当地どんぶり選手権」で最優秀賞を受賞して話題になっているということなので、食べてみました。どんぶりご飯の上に載っているのは、特製調味ダレに漬けた八戸前沖の真イカ、それにイクラ生卵。この生卵をかき混ぜて、イカとイクラにまぶして食べるのです。

 初めて食べた僕の感想は、「それなりには旨いけど、最優秀賞という割には大した事ないなあ」というもの。名前のインパクトに比べたら、味のインパクトは大きくない(爆発的な美味さとは呼べません)。それに、「ばくだん」というネーミングもちょっと気に入らない。スリランカで何度も身近に自爆テロや空爆を体験した自分としては、もっと平和的な名前にできなかったのかと感じてしまう。

 個人的には、八戸のどんぶり物なら、生ウニ丼イチゴ煮丼 、そして海鮮五色丼 の方がはるかに美味しいと思いますよ。

八月の背くらべ



 「柱の傷はおととしの~5月5日のせいくらべ」という童謡(↑)がありますが、現在帰省中の八戸の実家の柱にも、何本もの傷があります。これらは、毎夏この家に帰ってくる我が娘たちの背比べの傷なのです。5月ではなく、8月の背比べ。

 今年は、11歳の長女の身長が、72歳の母の身長を越えていました。去年までは母の方が背が高くて、いつ抜かれるかいつ抜かれるかと話していたのです。それでも、次女の方が母の身長を越えるまでにはまだ数年はかかるはず。娘たちの成長と両親の老いを考えると、嬉しくもあり哀しくもある2010年の故郷の夏。毎夏、娘たちを故郷に連れて帰って来ることがせめてもの親孝行かと思う。それくらいしかできない自分が情けないとは感じつつ。

南郷ブルーベリーと夕張メロンパン


 毎夏、家族で八戸に帰省すると、必ずやることがいくつかあります。そのひとつがブルーベリー狩り。娘たちも楽しみにしているので、今年も南郷区の観光農園に行って来ました。右上のバケツ四杯分も収穫したので、毎日ブルーベリーを食べまくっています。もうそろそろ今年のブルーベリーの季節は終わりかと思っていたら、今月末くらいまではまだブルーベリー狩りができるそうですよ。お近くの方は是非どうぞ。


 それから、僕が八戸に来てからブルーベリーと同じくらい食べまくっているのが、この夕張メロンパンです(↑)。とにかく美味い。外側はしっとりとしていて、中には実際の夕張メロンを使用したクリームが入っているのです。朝食には、この夕張メロンパンを一日おきに食べているような気がします。販売元は、岩手県二戸郡に本社があって八戸にも工場があるイチノベパン 。あなたの地域でも売ってますか?

日本の夏、ポケモンの夏

 ふるさとの八戸に帰省しています。毎年恒例の夏の里帰りです。今年は、まずニューヨークから成田に飛び、成田から羽田に移動し、羽田からANAのポケモン・ジェット(↓)で北海道の千歳まで飛びました。北海道では、ポケモンまつりが行われていたルスツ高原リゾート に滞在。その後、函館からJRのスーパー白鳥で八戸入りしたのです。


 ポケモン・ジェット、ポケモンまつり、ポケモン・スタンプラリーなど、ここまではポケモン三昧の夏休み。うちの娘たちはポケモン大好きなので、こういうことになりました。ポケモン・ジェットの中を少し紹介すると、各座席の背もたれの頭の部分にポケモンのカバー(左下)があったり、機内の仕切りカーテン(右下)もポケモン仕様になっていました。あと、機内ではポケモン番組の上映があり、さらに子供ならピカチューのリストバンドを貰えます。


 八戸駅に着いたら、ポケモン新幹線が停まっていました。今度はあれに乗るしかないな。果たしてこの夏休み中に乗れるでしょうか。

ニューヨークの多様性と寛容を守る市長



 9/11の被災地であるニューヨークのグラウンド・ゼロのすぐ傍に、あるイスラム教団体がモスクとイスラム文化センターを建設するという計画があります。この計画を巡り、政治家や市民も巻き込んで最近アメリカ国内では大論争が巻き起こっているのです。反対派の意見は、「あのテロがイスラム過激派によって実行された以上、テロ犠牲者の遺族の心境を考えると、そんな近くにこういう施設は容認できない」というもの。

 この件については、僕が今回ニューヨークに滞在している間に、大きなニュースがありました。それは、ニューヨークのブルームバーグ市長が、「市としてはこの計画に反対しない」と正式に表明したのです(市長のそのスピーチは、こちら のサイトから)。そればかりか、「宗教の自由は合衆国憲法で保障されている」とし、多様性の維持と寛容の精神を抱くことの重要性を涙ながらに説いたというのです。正しい事を正しく貫こうというブルームバーグ市長のこういった姿勢こそ、リーダーシップと呼ぶに相応しいのではないでしょうか。

 市長はさらに、「テロの犠牲者の中には、イスラム教徒もいたことを忘れてはならない。イスラム教徒だってニューヨーカーなんだ」と述べたそうです。全く同感で、最大級の敬意を表したいと思います。憎悪と排除を続けていては、テロの火種はなくなりません。